三国志演義につづき、水滸伝にハマる。人助けは世界共通で心動かす!

三国志演義もよかったですけど、水滸伝もすばらしいですね。
ハマってしまいました。
水滸伝といえば、 108 人の好漢ですが、いきなり 108 人登場するわけではありません。
物語ごとに好漢が少しずつ出てきて、話が進んでいくうち、最終的に 108 人となります。
また、漢の時代の項羽や劉邦、三国志で活躍した好漢たちもたくさん出てきます。
といっても、時代が違うんで、例えとしての登場ですが。
林冲(りんちゅう)はまるで張飛(ちょうひ)のよう、だとか。
ところで、彼らは何をしているのでしょうか。
それは、替天行動(たいてんこうどう)と言って、天に替わって行動する、つまり時の皇帝である天子(てんし)に替わって正しい行いをする、ということです。
具体的には、不正を行い、平民に危害を加える国の官僚・役人などを成敗する、のです。
要するに、やっていることは仕事人ですね。
そして、最終的な目標は、招安(しょうあん)です。
招安とは、 108 人の好漢を招き、役人として働くことを許可する、という天子からの恩赦を受けること。
このために、日々 108 人の好漢はがんばります。
<固有名詞の凡例>
地名:
天罡星(てんこうせい)である 36 人の好漢:
地煞星(ちさつせい)である 72 人の好漢:
敵:
3種類もある水滸伝
水滸伝は、 3 種類あります。
違いは物語の長さで、それぞれ 70 回本、 100 回本、 120 回本です。
この回とは、物語の章にあたります。
< 70 回本>は 108 人の好漢(こうかん)が梁山泊(りょうざんぱく)に集結したところで完結します。
水滸伝 下 魔星帰天より
< 100 回本>は< 70 回本>の内容にくわえ、後半に遼国(りょうこく)・方臘(ほうろう)討伐の話がはいります。
< 120 回本>は< 100 回本>の内容にくわえ、後半に田虎(でんこ)・王慶(おうけい)討伐の話がはいります。
本場中国では、 70 回本が人気だそうです。
確かに、 100 回本および 120 回本の、 108 人の好漢が招安(しょうあん)された後で、方臘(ほうろう)討伐の話はとてもつらいです。
なぜ、つらいのか?
それは、 108 人いた好漢が、なんとこの方臘(ほうろう)討伐の話 で、いっきに 27 人まで減ってしまうからなんです。
減っちゃった理由は、好漢自ら抜けたり、天子(てんし)や偉い官僚・役人に引き抜かれたり、戦死したり、病死したり、と様々な理由によります。 (><)
ボクが初めて読んだ水滸伝はこちら
こちらは、 100 回本です。
現在、 5 巻までひととおり読んで、 2 回目の精読中で、(四)を読んでいます。
いやー、おもしろい… とまらない。
通勤時、電車で読んでいると、駅を乗り越してしまいそうです。
なぜ、おもしろいのでしょうか?
それは、児童書と違って、細かいエピソードが漏れなく載っているからなのです。( ^ω^)b
漢字もふんだんに使われているんで、まさに大人向けです。
あと、ヤバい描写もあり…。(^^;
脇役キャラも、個性的で強烈です。 (;´Д`)
武松(ぶしょう)のお兄さん・武大(ぶだい)の、奥さん・ 潘金蓮 (はんきんれん)がエロくて、 義弟の武松(ぶしょう)を誘ったり、金持ちの若旦那・西門慶(さいもんけい)と不倫したり、とスゴいアクティブなんですよ。
しまいには、若旦那、不倫を斡旋した近所のおばあさんとともに、 武松(ぶしょう)のお兄さんを毒殺してしまうんです。 (((( ;゜Д゜)))
魅力その1:<あだ名>と名前がかっこいい
水滸伝の主人公である 108 人の好漢の<あだ名>と名前が、めっちゃかっこいいんです!(゜∀゜)
彼らは、 36 の天罡星(てんこうせい)と 72 の地煞星(ちさつせい)の転生であるとされ、みんなそれぞれに自分の星の名前があり、あだ名があって、姓と名があるのです。
例えば、こんなです。
活躍する/しないはともかく、ボクがかっこいいと思った好漢はこちら。
- 天猛星<霹靂火>秦明(てんもうせい<へきれきか>しんめい)
- 天立星<双槍将>董平(てんりつせい<そうそうしょう>とうへい)
- 天異星<赤髪鬼>劉唐(てんいせい<せきはつき>りゅうとう)
- 天殺星<黒旋風>李逵(てんさつせい<こくせんぷう>りき)
- 天微星<九紋龍>史進(てんびせい<くもんりゅう>ししん)
- 地正星<鉄面孔目>裴宣(ちせいせい<てつめんこうもく>はいせん)
- 地闊星<摩雲金翅>欧鵬(ちかつせい<まうんきんし>おうほう)
- 地軸星<轟天雷>凌振(ちじくせい<ごうてんらい>りょうしん)
- 地然星<混世魔王>樊瑞(ちぜんせい<こんせいまおう>はんずい)
- 地走星<飛天大聖>李袞(ちそうせい<ひてんたいせい>りこん)
- 地稽星<操刀鬼>曹正(ちけいせい<そうとうき>そうせい)
- 地魔星<雲裏金剛>宋万(ちませい<うんりこんごう>そうまん)
- 地角星<独角龍>鄒潤(ちかくせい<どくかくりゅう>すうじゅん)
108 人もいるんで、目移りしてしまう…。(^^;
魅力その2:大切な人のためなら、命もいとわない
梁山泊(りょうざんぱく)に集結する好漢たちは、志を同じくする仲間のためなら、命もいとわず、助けに行きます。
男は単純ですから、このシチュエーションに弱い…。
不正を行う不義理なヤツだとアタマにくるし、公正で義理堅い人だと尊敬します。
ホント、単純でゴザルです。
江州(こうしゅう)にて、宋江(そうこう)と戴宗(たいそう)が、謀反の罪で処刑されそうになった時、李逵(りき)が両手にまさかりを持って、建物の 2 階から飛び降り、助け出した時はマジ、キターって思いましたよ!
この李逵(りき)乱入後、四方八方から梁山泊(りょうざんぱく)の好漢たちも助けに来て、城内でめちゃくちゃに暴れまわります。
これまた同じシチュエーションなんですけど、北京(ほくけい)にて、同じく 盧俊義 (ろしゅんぎ)も謀反の罪で処刑されそうになった時、今度は石秀(せきしゅう)が 1 人で助け出しています。
この後、また、 2 人とも逃げ切れず、捕まってしまうんですが…。
ドラゴンボールとか、ワンピースとか、少年マンガは全部コレですもん。
このパターンは、まさに人の心を捉える王道ですね。
魅力その3:回(章)ごとに主人公がコロコロ変わる
水滸伝は作者が不明で、どうやら様々な物語の寄せ集めらしく、こんなことが起きてしまっています。
逆に、そこが魅力でもあります。(^^;
まっ、マンガ「進撃の巨人」も、ある意味同じですね。
いきなり、マーレ編では、ライナー・ブラウンが主人公になりましたし。
水滸伝の主人公である 108 人の好漢は、個性があり、どの回(章)もおもしろく読むことができます。
中には、モブっちゃう好漢もいますが、それは仕方ありません。
でも、 1 度は活躍するんですよ。
とうぜん、何度も活躍する好漢もいらっしゃいますが。
主人公はコロコロ変わりますが、何回か話が進むと、また、その好漢が登場します。
最後には、みなさん、義理を重んじ金離れのよい宋江(そうこう)に惹かれ、意気投合し、仲間入りするというわけです。
”義理を重んじる”というのはわかりますが、”金離れがよい”がよくわからないですよね。
これは、当時の国の官僚・役人が、賄賂をもらいまくり、金を貯めまくるので、彼らは悪である、というのが根底にあります。
そして、人にお金を与え、救うのが、善とされていました。
要は、「情けは人の為ならず」を実践している人が好かれ、尊敬されたのです。
水滸伝の好漢の筆頭である、天魁星<及時雨>宋江(てんかいせい・きゅうじう・そうこう)は、物語中、最も義理を重んじ金離れがよいとされ、すべての好漢から兄貴と親しまれ、梁山泊(りょうざんぱく)では、第 1 番目の椅子に座っています。
魅力その4:大将どうしの一騎打ち
梁山泊(りょうざんぱく)の盗賊の集団は、国にとっては脅威で、国は軍隊を派遣し、討伐・掃討するように仕向けます。
とうぜん、梁山泊(りょうざんぱく)側も、やられっぱなしではいられないので、軍隊を派遣します。
そこで、軍隊どうしが戦う合戦が行われます。
これは、力で勝つ方法です。
当時は、戦車や攻撃ヘリなどありませんから、馬軍(馬に乗って戦う)、歩軍(徒歩で戦う)、水軍(船に乗って戦う。主に泳ぎのうまい人たち)が集まって、連携・統率して、合戦に臨みます。
その際、馬軍の大将が、一騎で軍の前へ出てきて戦いを挑む。
すると、相手の大将も、同様に出てきて 1 対 1 で戦う。
これが、大将どうしの一騎打ちです。
そして、どちらかの大将が勝つと一気に相手方に攻め寄り、蹴散らすというのが、合戦で勝つ王道のようです。
この大将どうしの一騎打ちが、めちゃくちゃかっこいいんですよ!
鳥肌ものです、うん。
林冲(りんちゅう)キターっ!とか、思わず心の中で叫んじゃいますもん。(゜∀゜)
三国志演義にしろ、水滸伝にしろ、この大将どうしの一騎打ちは、最高に盛り上がります!(^^)
これは、マンガ「ベルセルク」でも同じですよね。
読んでないのですが、マンガ「キングダム」でもおそらく同じでしょう。
この大将どうしの一騎打ちですが、終わり方がいくつかあります。
通常は、この大将どうしの一騎打ちでは、武力の高い方の大将が相手を打ち負かし、倒します。
大将の中には、弓などの飛び道具が得意な好漢もいて、わざと馬を返して逃げ、相手が追ってきたところを、弓で倒すという技巧派もいます。
何度も刀を交えたが決着がつかない場合は、腕はほぼ互角です。
そこで、大将を戻したいと思った方の軍の総大将は、ドラを鳴らし、お互いの大将を引き下がらせます。
この大将どうしの一騎打ちで、最も手に汗握るのは、「生け捕り」です!
相手の得物(武器)を払って、直接相手の体を引き寄せたり、馬から落として、手下に麻縄で縛らせたり、ネットを使って捕獲したり、と方法は様々ですが、これが一番かっこいい一騎打ちの決め方です。
それと、大将が持っている得物(武器)は、 好漢の個性を表していて、これが一層、一騎打ちに花を添えます。
棒(ぼう)、槍(やり)、矛(ほこ)、刀(かたな)、斧(おの)などなど。
あと、両手に得物(武器)を持つ、二刀流の好漢もいます。
魅力その5:思わず、うなってしまう計略や妖術
まずは、計略です。
これは、軍隊を用いて、力で勝つのに対し、計略とは知恵で勝つ方法のことです。
計略で最も古典的なのが、落とし穴です。
この落とし穴は、効果抜群。どんなに力のある武将でも、落とし穴には勝てません。
続いて、火計。火を使って、相手の陣を火事にして、人が直接戦わずに勝ちを得ます。
計略は、大小さまざまなものがあり、合戦で使う落とし穴や火計から、はたまた人を騙すものまで、たくさん登場します。
心理学を応用したものなどもあり、思わずうなってしまいます。
続いて、妖術。
これは、完全にファンタジー、マジックです。
この妖術は、主に合戦時に使われます。
妖術を使えば、天候を自由に支配できたりします。
雲を呼びおこし、雨を降らせたり、風を吹かせたりと。
相手の陣に、計略を使って火をつけ、続いて、妖術を使い風を呼び起こすとか、します。
ちょっとオカルトが入っていますが、フィクションですから、気にせず雰囲気で読み続けましょう。
スゴいのは、神兵や龍、虎を呼んだりとか、妖術使いの道士(どうし)自ら空を飛んだりとか…。
ここまでくると、もうマンガですよ、ホント。(笑)
敵に妖術使いが出てくると、梁山泊(りょうざんぱく)からも、とうぜんの如く妖術使いの道士(どうし)が颯爽と現れます。
高唐州(こうとうしゅう)の知府(長官) で、高廉(こうれん)という妖術使いと戦った時、かなり宋江(そうこう)たちは苦戦します。
そこで、登場するのが公孫勝(こうそんしょう)で、妖術を駆使し、見事、勝利に導きます。
彼は、梁山泊(りょうざんぱく)で 1 番の妖術使いであり、 仲間入り前の樊瑞(はんずい)(彼も妖術使い)が敵であった時も、この高廉(こうれん)の時と同様、打ち破っています。
その後、樊瑞(はんずい)は、仲間となり公孫勝(こうそんしょう)の弟子となります。
魅力その6:物語の中に名言あり
水滸伝には、名言がたくさん出てきます。
普段の生活においても、とても参考になります。
例えば、こんなです。
呉用(ごよう):「 36 計、逃げるに如かず」です。今すぐ逃げるべきです。
宋江(そうこう):古来「自由は人をつくらず、不自由は人をつくる」と言う。
李逵(りき):
梁山泊(りょうざんぱく)にいたころには、まだ不浄役人たちとたたかうという目的があったが、いまはそんなものはない。役人に追われることもなく、お金にもこまらないが、目的もなく、ただ空虚な毎日をすごすだけだった。
上記、宋江(そうこう)の言葉は強烈です。
何も制約もなく、自由な人は、堕落すると。
宋公明兄貴が言うことは、もっともしごくです。(^^)
まとめ


おすすめ本
児童向けですが、 120 回本のフルで、いい感じにまとめられています。
上記の講談社学術文庫× 5 ( 100 回本)を読んでから、読みました。
児童書なんで、さすがにヤバい系の話はありませんでした。(^^;
同じく児童書です。
人物紹介がメインで、見てて楽しいです。
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