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怒ってはいけない、はなぜか。百害あって一利なしの怒るを考えてみた

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この記事を書くきっかけは、こちら。

監督は怒ってはいけない、という小学生バレーボールチームの話で、NHKの朝のニュースでやっていました。

ここで、元全日本バレーボール選手の益子 直美さんが登場。

彼女曰く、
現役時代、監督に怒られてばかりで、
バレーボールをうまくなる、というより、
いかに怒られないで過ごすか、ばかり気にしていたそうです。

そして、バレーボール自体も嫌いだった… とのこと。
なんか、不幸ですよね。

中 2 の息子にも、野球部どうよ?と聞いたら、同じらしく。(笑)

今回は、この怒ることについて、考えます。

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人は、なぜ怒るのか

P101
自分が期待した目的が妨げられるとき、怒りが生まれる
 たとえば、ご飯を食べようとしたら、ちょっと冷たかったとする。そうすると、嫌な気持ちになるでしょう。その、嫌な気持ちが既に怒りなのです。
 あるいは、味噌汁を飲んだら、思ったより味が薄い。そうすると、また嫌な気持ちになる。その感情が、怒りなのです。自分が期待した目的の妨げとなるものは全て怒りなのです。
 ですから、普通の人間が怒ることは避けられないのです。何でも全て、自分の思った通りになる人はこの世に存在しませんから、毎日生活していれば、誰もが怒ることになるのです。

怒らないで生きるには より

人は、なぜ怒るのでしょうか?

その理由は、思いどおりにならないから、です。

部下が言うことを聞かず、グループの業績が低迷して、出世できないと考えた上司は、部下を怒ります。

ひきこもりの弟が居て、何から何まで親の世話になっていて、親が死んだ時、彼の面倒を兄であるオレがみるのか… ふざけるな! と思った兄は、弟を怒ります。orz

こんな具合で、人は、自分の思いどおりにならないと怒るのです。

怒りはヤバい

怒りは伝染する

P110
怒りは伝染する
 怒りは、伝染します。人間は、弱いものです。ゆえに、いとも簡単に周囲の環境に影響を受けてしまうのです。皆が穏やかに楽しく過ごしているところに、ひどく感じの悪い攻撃的な人が入って来たシチュエーションを想像してみてください。それまでにあった楽しい雰囲気が、サーッと波がひくように消えてしまい、あとには、殺伐とした嫌な空気が場を支配してしまうことでしょう。

怒らないで生きるには より

これ、分かりやすいですね。

たったひとりの邪悪な人間の登場によって、その場がまるっと殺伐とした空気になる。

ボクもかつて、邪悪な人間でしたので、職場の空気を殺伐にしていた時があります。orz

当時は、自分が正しい、相手が間違っている。だから、正してやる、みたいな傲慢さがあり、自分が邪悪であるなんて、これっぽっちも思っていませんでした… ウルトラ反省してます。

ですから、ボクが職場を休んだ日には、職場の空気がピンク色に染まったはずです、間違いなく。

怒りは破壊のエネルギー

P248
怒りは破壊のエネルギー
 怒りは、破壊のエネルギーです。悪いものを破壊するならばありがたいですが、怒りには善悪の判断がありません。原子爆弾のように、何でも破壊するエネルギーなのです。

怒らないで生きるには より

怒りは、破壊しか生まない…。

アタリマエですが、まったく建設的ではないですね。

こうなると、怒りの感情は、有害以外なにものでもないですよ。

やっぱり、怒りなどの感情に振り回されず、たんたんと行動するのがいい。

感情に流されず行動することについては、こちら。

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人生においては怒らないことが一番大切

P166
人生においては怒らないことが一番大切
 このことは、子どもだけに限った話ではありません。大人の社会でも同じなのです。「怒らないように」と様々なところで道徳が説かれていても、大人たちも子どもたちと同様に、みんなそんなことは建前だと思っています。しかし、本音では「攻撃されたら反撃しなくちゃ、生き馬の目を抜く社会で生き残れないぞ」と考えているのです。
 しかしながら、科学である仏教の立場から言わせてもらえば、どのような怒りであろうと、その結果は必ず不幸をもたらすのです。厳密に科学的な因果の法則から逃れることはできません。怒れば、必ず不幸になるのです。
 ですから、人生において怒らないことが一番大切です。そして、この「怒らないこと」というのは放っておいてもできることではありません。また、一度聞いたからといって簡単にできることでもない。繰り返しの学びが必要なのです。

怒らないで生きるには より

まずいです… 娘や息子に対して、怒りまくっていました。orz

人生においては怒らないことが一番大切、なんですね。

怒らないようにするには、技術が必要… しかも、繰り返し学ばなくてはならない。

…大変なんですね。(-_-;

その場かぎりで、怒らない技術の習得は難しいみたいです。

それら具体的な技術については、次から書きます。

怒らない技術その1:怒りの伝染から逃れる

ここからが、大事です。

いよいよ、怒りに対する対策である、怒らない技術についてです。

P111
怒りの伝染から逃れるには
 暴走族や、ヤクザのような恐ろしい人たちと一緒の環境で暮らしていたら、その怒りの波動から無関係でいることは不可能です。怒った人が周囲に発する波動は、強烈で恐ろしい放射能のようなものです。怒りは、伝染するのです。
 ですから、怒りの伝染から逃れるには、まず第一に怒りの蔓延した環境で過ごさないことです。危険な環境から逃れるということですね。これでひとまずは、自らの身の安全と、自身の幸福を守ることが可能となります。
 第二に、これは自分自身に余裕があったらできる範囲でよいのですが、怒りと逆の楽しい感情の波動を周囲に発するようにしてください。イライラしている人でも、赤ちゃんの顔を見たら、途端にニコッとすることがあるでしょう?私たちの感情は、いつでも環境に大きな影響を受けています。ですから、私たちは毎日怒りとは逆の明るい波動を周囲に発して生きていくことが大切なのです。

怒らないで生きるには より

まずは、環境を変える、ですね。

要は、怒り渦巻く環境から逃げる、です。

たとえば、会社だったら、お腹が痛くなってトイレに行くフリをして、逃げるのが現実的かと。

それができたら、ニコニコです。

怒りとは逆の感情を、表にだす… と。

何ニヤけているんだ?と、怒っている人に、火に油を注ぎそうですが… TPO を考えて、実践するようにすればいいでしょう。

それにそもそもこのニコニコは、できたらでいいんですから。

怒らない技術その2:怒られて気にするのなら客観的に気にする

P135
怒られて気にするのなら客観的に気にする
 問題なのは、他人からの評価を気にする際に、自我が入ってしまうことなのです。先ほどの上司に叱られた例でいうと「何でこの俺が!」と感じてしまうと、もう危ないのです。
 叱られて「何でこの俺が!」と感じる心の背景には、「お前より、この俺様のほうが偉いのだ」と思う気持ちがあります。これが、自我なのです。
 …
 ですから、周囲からやさしくされたり、怒られて気にするのなら、客観的に気にするようにしてください。決して、自我で反応してはいけないのです。

怒らないで生きるには より

その怒りの環境から逃げる、の次は、客観視することです。

つまり、「なんで怒られたのかな?」と、人ごとのように、俯瞰して考えるのです。

あまり人ごとのような態度をとってると、怒った本人はますます怒りそうです。

…ので、これも TPO を考えて、行動するようにします。

この客観視ですが、いわゆる自分をメタ認知することですね。

確かに、怒っている自分をメタ認知すれば、かっこわる、と思ってやめそうです。(^^;

メタ認知については、こちら。

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怒らない技術その3:怒りを静めるには

P200
具体的に怒らない方法
 仏教で怒りを鎮める方法の一つに、自分の注意を対象からずらす、というものがあります。
 たとえば、ある人の顔を見ていると腹が立ってくるとしましょう。その怒りに対処するというのなら、そっぽを向けばいいわけです。
 注意をそらすことによって怒りが抑えられるわけですから、自分の呼吸を数えてもいいのです。それ以外でも、「羊が一匹、羊が二匹…」と羊の数を数えるのもいいですね。いずれにせよ、怒りから注意をそらすことができれば、怒りはひとりでに鎮まります。

怒らないで生きるには より

この怒りを静めるは、自分が怒ってしまった場合の対処法です。

自分の注意を、対象からずらす、とのことです。

具体的には、そっぽを向く、深呼吸する、羊を数えるなどなど、自分が実際に怒っている事柄から注意をそらすようにします。

これらの行動により、怒りである感情から、一歩外へ自分の気を向かせ、心を落ち着かせるのです。

怒らない技術その4:あせらず、ゆったりと生きる

P222
あせらず、ゆったりと生きる
 あせらず、ゆったりと生きるということも、怒りを制する上では有効です。たとえば、怒らないように注意していても、どうしても怒ってしまった場合、とても有効な方法があります。それは、「いったん停止」をするということです。
 この「いったん停止」は日常生活のあらゆるところで応用することができます。怒りだけでなく、たとえば欲などに関しても使うことができるのです。
 街を歩いていて、デパートの前を通りがかったとしましょう。ショーウィンドーに素敵なバッグが飾られていたと想像してみてください。一目で「あ~っ!欲しい!」と思うでしょう。そこで、妄想が始まります。「あのバッグが欲しい、欲しい。バーゲンまで待って買おうかな?でも、それまでに誰か買ってしまうかも。やはり、今日買わなくては。現金の持ち合わせはあるかな…」などと、際限なく考えが続くのです。

スローライフのすすめ
 そんなとき、無理やり買いたい衝動、欲を押さえるのではなく、「いったん停止」をする。すると、「あれっ、そんなにこのバッグ欲しかったっけ?」となって、我慢して諦めるのではなく自然とやっぱりいらないという気持ちになって購入しなくなるのです。
 怒った場合も同じことです。無理をして、怒らないようにする必要はありません。自分が怒ったことに気づいたら、ただ「いったん停止」。そして、しばらく何もせずに時間をおいてみます。そうすると、どうですか?怒りたくても、怒れないのではないでしょうか?怒り狂っていた感情が、どこかへ消え去ってしまうのです。
 このことは別に、不思議なことでも魔法でもありません。この世の真理は「無常」です。これすなわち、いかなる怒りの感情も永続しないことを意味します。ですから、怒ったときは「いったん停止」をして間をおけば、無常の原理で怒りは自然に消滅してしまうのです。 

怒らないで生きるには より

この「いったん停止」、スゴいですね。

怒りを静めるだけでなく、欲望にも打ち勝つことができる、すばらしいテクニックです。

なんかイライラしたり、散財しそうだったら、とりあえず「いったん停止」ですね。

これは今すぐ、実践するようにしましょう。

無視は最も重い罰

P166
無視は最も重い罰
 それでも相手がわからないような場合は、無視ですね。無視は、仏教の世界では一番厳しい罰なのです。仏教から見ると、イスラム教の世界などでよくある処刑なんかは、全然罰でも何でもないのです。
 人間、どうせ誰でも死ぬのです。それを、きちんと処刑日を決めて、それまできちんと食事を食べさせてくれて、スケジュール通りの殺すのですから、別に全然不幸でも何でもないです。それよりも、生かされたまま、無視し続けられるほうがよっぽど厳しい。周囲から最低限食べさせてもらえるけれど、人間扱いされず、無視される。これは、耐え難い罰なのです。
 それが、仏教社会の下す罰です。社会の一員としての権利を取り上げる。人間扱いをしない。これで、どんなわがままな人間の態度も直ります。ですから、仏教の社会では、相手を叱るときに感情的になる必要は一切ありません。そうではなくて、淡々と無視すればいい。これこそが、人間にとって最大の罰なのです。

怒らないで生きるには より

無視が、そんなに酷い仕打ちだとは思いませんでした。

無視って、強烈ですね。

無視してる方はなんとも思ってないんでしょうけど、される方はたまらないです、マジで。

時々娘は、ボクを無視するんで、とてもこの気持ちが分かります。orz

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心に怒りがなければデモは成功する

P175
 一口に原発反対のデモといっても、様々なものがありますので、一般論で言うのは難しいです。ただ、結論から言えば怒りの心でやるデモというのは、あまり効果がないのです。
 世界中、ありとあらゆる所でデモが起きていますが、それらは結局、暴動で終わってしまっていますね。
 ギリシャを見てください。商店を破壊したり、火炎瓶を投げたりしたでしょう。そうなれば、警察も出動するでしょうから、流血の惨事を避けることはできないのです。

心に怒りがなければデモは成功する
 どうしてそうなるのかといえば、デモの参加者たちの心に怒りがあるからなのです。ですから、もし原発反対のデモをやるのなら、みんなでただ怒って敵を倒そうというのではなく、平和の心を持って、たくさんの人々で集うべきなのです。
 敵を威嚇するようなシュプレヒコールを上げたりする必要はありません。そうではなくみんなで、
「子どもたちを守りましょう。大事な地球を守りましょう」
 と、歌でも歌えばいいのです。そうすれば、誰も敵を作ることにはなりません。
 私たちが何か目標を達成したいときには、敵を作ってはいけないのです。多くのデモが失敗するのは、政府を敵にしてしまうからです。原発を止める決定をするのは、政府でしょう?その政府を敵に回して、どうするのですか。
 政府を変えたいのなら、国民が選挙で変えればいいだけのことです。私たちがどの政策を実現させたいからといって、心を怒りに染めるべきではありません。デモをやるときには、必ず怒りではなく、慈しみの心でおこなうのがよいのです。

怒らないで生きるには より

あー、納得です。

つまり、デモしてるみんな、怒っていると。

世界中のデモを見てて、いまいち肩入れできない理由はこれだったんですね。

謎解けて、スッキリしましたー。(^^)

まとめ

たまき
たまき
怒りは破壊のエネルギーです。怒りは、相手だけではなく、自分も破壊してしまいます。

れな
れな
怒りの渦巻く環境からは、逃げましょう。自分が怒りを感じたら、「いったん停止」です。

おすすめ本

マンガがインパクトありすぎ。コワい…。(笑)