水滸伝読破後、三国志演義へ。諸葛亮、関羽、曹操から目が離せない。
水滸伝を 2 回、読みました。
水滸伝については、こちら。
水滸伝では、そこかしこに三国志演義の人物やエピソードが出てきます。
とても懐かしく思い、三国志演義も一気に読んでしまいました。
数十年前の昔、 5 巻からなる完訳 三国志を読んでいて、それ以来の読書です。
ストーリーは、ほぼほぼ昔の記憶どおりでした。
…にしても、登場人物が多い。
だって、国が 3 つに分かれていて、それぞれに君主と文官、武官が出てくるのですから。
さらに、水滸伝と同様、名言多し!
普段の生活から、人生の目標まで、この名言に従い、行動していれば間違いないでしょう。(^^)
<固有名詞の凡例>
魏(ぎ)の国の人物:
呉(ご)の国の人物:
蜀(しょく)の国の人物:
ボクが久々に読んだ演義はこちら
水滸伝と同様、講談社学術文庫で、井波 律子先生の訳です。
あいかわらず、めちゃくちゃ読みやすい!
現在、 1 巻に戻って、ゆっくり精読しています。
演義の魅力
以前、水滸伝の魅力を書きました。
以下のとおりの 6 つでした。
魅力その1:<あだ名>と名前がかっこいい- 魅力その2:大切な人のためなら、命もいとわない
魅力その3:回(章)ごとに主人公がコロコロ変わる- 魅力その4:大将どうしの一騎打ち
- 魅力その5:思わず、うなってしまう計略や妖術
- 魅力その6:物語の中に名言あり
残念ながら、三国志演義は、魅力その 1 と 3 は、あまりあてはまりません。
…ですが、アタリマエですけど、とてもおもしろいです!
特に、魅力その 6 は群を抜いています。
今回は、この魅力その 6 である名言を中心に説明します。
演義の全体像
まず、三国志演義の全体像を説明します。
同じ中国武侠小説の水滸伝と比べると、全体像がわかりやすくなります。
まずは、水滸伝。
これは、善と悪の対決物語で、オールフィクションです。
特に、魅力その 1 の字(あざな)については、三国志はいたって普通、対する水滸伝はカッコよ過ぎです。
さすが、オールフィクションならではです!
善のアタマである主(あるじ)がいて、手足の部下がいて、それぞれ特技を使って、梁山泊(りょうざんぱく)という砦(とりで)を守ります。
そして、必要に応じて、仲間を助けるために外へ、好漢たちが進撃します。
比べて、三国志演義は、ちょっと複雑です。
善の国(蜀)、悪の国(魏)、どっちつかずの国(呉)の3つどもえですから。
三国志では、そこら中の城(都市)を配下に収める、国盗りの要素があるので、梁山泊 1 点守備の水滸伝と違って、より戦略的な知恵が必要となっています。
そして、物語は史実半分、フィクション半分という、珍しい構成です。
演義の主役
主役は、劉 備 玄徳(りゅう び げんとく)ですが、演義では、以下の 3 人が、作者のお気に入りということもあり、それぞれ個性を生かされ、かつ力強く描かれています。
ちなみに人物の漢字の順番は、姓 名 字(あざなと読む。ニックネームです。)となっています。
- 智絶(ちぜつ、知者のきわみ)諸葛 亮 孔明(しょかつ りょう こうめい)
- 義絶(ぎぜつ、義人のきわみ)関 羽 雲長(かん う うんちょう)
- 奸絶(かんぜつ、悪人のきわみ)曹 操 孟徳(そう そう もうとく)
それぞれ、いかに頭がよく、いかに義理堅く、いかに悪どいことか…。
この 3 人の活躍が、感情移入の大きなポイントになっています。
演義で活躍する名脇役
三国志演義で活躍する名脇役は、以下のとおりです。
主役の敵となって立ちはだかったり、主役の味方となってフルサポートしたりします。
<魏>
司馬 懿 仲達(しば い ちゅうたつ):諸葛亮のライバル。諸葛亮の魏討伐をことごとく阻止する。
鄧 艾 士載(とう がい しさい):諸葛亮没後の最強将軍。
<呉>
陸 遜 伯言(りく そん はくげん):呉を守り切る、若き最強将軍。
<蜀>
趙 雲 子龍(ちょう うん しりゅう):無敵の猛将。そのパワーには、奸絶 曹操も絶賛。
黄 忠 漢升(こう ちゅう かんしょう):老人なのに猛将。弓の名手。
演義の名言その1:心構え系
演義に出てくる名言をピックアップしました。
まずは、個人でできる心構え系です。
どれもこれも、欲や怒り、迷いなどを否定しています。
即、実践できます。
得たところで喜ぶに足りぬ。失ったところで憂えるに足りぬ。 劉備
身を屈して分を守り、そうやって天の与えてくれる機会を待つのだ。運命に逆らってはならない。 劉備
多言して利を獲(う)るは、黙して事無きに如かず。(多言して利益を得ることは、黙って何も言わないことにはおよばない) 黄 蓋 公覆(こう がい こうふく)
人は足(た)るを知らざるに苦しむ。既に隴(ろう)を得て、復(ま)た蜀を望まんや。 曹操
事を謀るは人に在(あ)り、事を成すは天に在(あ)り。 諸葛亮
生きていてもすでに無益なのですから、死んでも何の損害にもなりません。 董 尋(とう じん)
是(こ)れをしも忍べくんば、孰(いず)れか忍ぶべからざらん。(これががまんできたら、世の中にがまんできないことなどない) 曹 髦 彦士(そう ぼう げんし)
三国志演義より
演義の名言その2:対人関係系
続いて、対人関係系です。
これらを実行することで、対人関係がよくなり、自分も得することになります。
張 飛 翼徳(ちょう ひ よくとく)は、飲み会を完全否定しています。(笑)
会社の上司や同僚、部下に対する態度にも応用できます。
筵(うたげ)に好(よ)き筵なく、会(つどい)に好き会なし。 張飛
良薬は口に苦きも病いに利あり、忠言は耳に逆らうも行いに利あり。王 累(おう るい)
唇亡(ほろ)べば歯寒し。(関係の密接な者の一方が滅びると、もう一方も危なくなる) 董 和 幼宰(とう わ ようさい)
良禽(りょうきん)(良い鳥)は木を相(えら)んで棲(す)み、賢臣は主を択(えら)んで事(つか)える。 李 恢 徳昂(り かい とくこう)
兼ねて聴けば則(すなわ)ち明るく、偏り聴けば則(すなわ)ち暗し。(多くの意見を聞けば正しい判断ができるが、かたよった意見しか聞かなければ正しい判断ができない) 馬 良 季常(ば りょう きじょう)
君は臣を使うに礼を以(もっ)てし、臣は君に事(つか)うるに忠を以(もっ)てす。 董尋
三国志演義より
演義の名言その3:戦い系
この戦い系は、自分との戦いに生かすことができます。
例えば、勉強や筋トレ、ダイエットなど。
これら自分との戦いに勝利するため、名言から得られることをいただいちゃいます。
彼を知り己(おのれ)を知らば、百選百勝。 李 典 曼成(り てん まんせい)
寡(か)は衆(しゅう)に敵せず。勝敗は兵家の常です。 諸葛亮
心を攻むるを上となし、城を攻むるを下となす。心の戦いを上と為(な)し、兵の戦いを下と成す。 馬 謖 幼常(ば しょく ようじょう)
帰還する軍勢は襲うべからず、追いつめられた敵は追撃するなかれ。 司馬懿
三国志演義より
演義の名言その4:やってはいけない系
最後は、やってはいけない系です。
これは、いわゆるリスク対策です。
脂 習 元升(し しゅう げんしょう)は、「バカ正直に相手を批判してはいけない。そんなことしたら、あなたの立場も危ういです。」と、孔 融 文挙(こう ゆう ぶんきょ)を心配して、言っています。
一般に人を批判したところで、相手は怒り、かつ恨みをいだくだけで、改めることはほぼほぼありませんから、確かに脂習の言うとおりです。
諸葛亮の話は、「もらえるものはもらっておかないと、あとで非難される。」です。
遠慮は無用ということですね。
不仁の極みの者が仁の極みの人を討伐すれば、負けるに決まっている。 孔融
貴公は剛直すぎる。それは禍(わざわい)に陥るやり方だ。 脂習
人に遠慮がなければ、必ず近き憂いあり。(遠大な配慮がなければ、必ず足元をすくわれる) 孫 権 仲謀(そん けん ちゅうぼう)
天の与えて取らざるは、反(かえ)って其(そ)の咎(とが)を受く。(天の与えるものを受け取らなければ、かえってその咎(とが)めを受ける) 諸葛亮
小を忍ばざれば、則(すなわ)ち大謀を乱る。 司馬懿
三国志演義より
まとめ
おすすめ本
プリズンスクール 25 巻です。
表紙のガクトは、三国志をこよなく愛する高校生です。
プリズンスクール 9 巻です。
表紙の横山みつ子さんも、三国志をこよなく愛しております。
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